セサミンを一番必要としている年代は
ゴマの栄養素セサミンは、肝機能の向上やうつ病予防、老化防止など様々な効能で人気がある栄養素です。
このセサミンを、最も必要としている年代は、どの年代なのでしょうか?セサミンの効能を、年代という点から見ていきましょう。
セサミンとは
セサミンは、ゴマに含まれるポリフェノールの一種で、私たちが普段口にする食材の中ではゴマにしか含まれていません。
セサミンには抗酸化作用があり、人体に有害な活性酸素(酸素が体内で変化したもので、周囲の細胞や組織を傷つけ、ガンや老化の原因となる)を除去します。
セサミンの効能の多くは、この抗酸化作用に基づいたものであり、次のようなものがあります。
- ・しみ・しわ・たるみなどの肌の老化の予防・改善
- ・白髪・脱毛・薄毛などの髪のトラブルの予防・改善
- ・活性酸素が原因のうつ病・自律神経の乱れの予防・改善
- ・アテローム性動脈硬化の予防
- ・脂肪肝の予防・改善
また、セサミンの抗酸化作用由来でない効能の中にも以下のように重要なものがいくつもあります。
- ・肝臓の代謝機能の活性化
- ・アルコール分解の促進
- ・女性ホルモン・エストロゲンのサポート
- ・血中脂質の低下
- ・ビタミンEの節約
年代別のセサミンの効能
では、各年代が抱える健康問題とそれに対するセサミンの効能を順に見ていきましょう。
10代とセサミン
育ち盛りの10代には、セサミンの持つ、肝臓の代謝能力を向上させる働きが役に立ちます。
肝臓には食事に含まれる栄養素を分解し、身体に必要な物質を合成する働きがあり、これを代謝と言います。
セサミンはこの代謝に関わる酵素を活性化することで代謝を活発にし、食事の栄養素を無駄なく身体に摂り入れてくれます。
成長するために必要な栄養素や免疫力を強くする栄養素をしっかり摂って、健康的な身体づくりができるので、成長期の10代におすすめなのです。
20代とセサミン
20代になるとお酒が飲めるようになるので、つい暴飲暴食してしまいがちです。
アルコールは肝臓で分解されるのですが、あまりに多くのアルコールが体内に入って、分解が追いつかない場合、悪酔いや二日酔いになってしまいます。
セサミンは肝臓のアルコール分解を活発にする働きがあるので、悪酔いや二日酔いになりにくくしてくれます。
また、アルコールを飲むことで発生する多量の活性酸素を、セサミンの抗酸化作用で除去できますから、脂肪肝を予防することもできるのです。
30代とセサミン
ストレスが増える30代
30代では、社会に出たばかりの20代と違って役職を持つ人も多くなりますし、家庭を持つ人も多いでしょう。
20代の時と違う人間関係や責任感によって強いストレスを抱える人も少なくありません。
平成25年の国民健康・栄養調査では、男性の48.6%、女性の59.6%が「悩み・ストレスを感じている」と回答しています。
また、30代男性の44%が、習慣的に喫煙していました。
強いストレスやタバコは、活性酸素の原因として、紫外線やアルコールと共に危険視されています。
強いストレスを感じた際に、神経細胞の周辺で発生した活性酸素は、自律神経を傷つけ、生活リズムを崩すばかりか、情緒的な不安定さやうつ病をもたらします。
また、タバコを吸うことで身体中で発生する活性酸素は、ガンや動脈硬化、老化のリスクを強めます。
根本的な解決策は、ストレスの原因を解消する、ストレスの解消法としてタバコを選ばないといったことですが、セサミンは根本的に解決するまでの手助けをしてくれます。
セサミンを摂るタイミング
出社や重大な会議などストレスを引き起こすイベントの前にセサミンを摂っておけば、セサミンの抗酸化作用により、ストレスで発生した活性酸素の活動を抑えることができます。
また、喫煙する前後にセサミンを摂ることによって、タバコが原因で発生する活性酸素の影響を、軽減することも期待できます(禁煙するのが一番良いので、あくまで禁煙成功までの手助けです)。
40代とセサミン
メタボや更年期などの健康問題が増えてくる
40代では、社会的な責任が30代以上に重くなり、また家庭を持っている人なら仕事と子育ての両立にも悩まされる年代です。
先ほどご紹介した「平成25年国民健康・栄養調査」によると、40代男性の27.9%がメタボリックシンドロームの予備軍と診断されています。
また、睡眠の質に関する調査では、40代女性の51.5%が「日中、眠気を感じた」と回答しています。
そして40代では、女性の場合、閉経に伴う更年期障害になる人も出てきます。
肥満と高血圧・高血糖・脂質異常症を併発した状態であるメタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な心血管疾患のリスクを高めます。
また、日中に眠気を感じるような睡眠不足は、居眠り運転や仕事の質の低下につながりかねません。
日々のストレスや不摂生が着実に身体に溜まっていき、さらに老化も徐々に始まってくる年代、それが40代なのです。
動脈硬化を予防するセサミンの働き
セサミンには、血液中の脂質(特に肥満の原因となるLDLコレステロール)濃度を低下させる働きがあるので、肥満や脂質異常症を予防・改善することができます。
さらに、セサミンが減らしてくれるLDLコレステロールは、高血圧と深い関係があるとされる動脈硬化症の一分類、「アテローム性動脈硬化症」の原因物質でもあるため、セサミンを摂ることでアテローム性動脈硬化症、ひいては高血圧も予防することができます。
更年期障害を緩和するセサミンの働き
女性の場合、睡眠リズムを司る自律神経の調節には、女性ホルモンであるエストロゲンが深く関わっています。
このエストロゲンの分泌量が加齢とともに低下することで起こるのが更年期障害であり、動悸やめまい、情緒不安定などを引き起こすのですが、その症状の一つに睡眠不足も入っています。
セサミンの構造はエストロゲンによく似ていて、体内に入ったセサミンは、エストロゲンと同じような働きをしてくれます。
そのため、セサミンを摂ることで、減ってしまったエストロゲンの働きを補い、睡眠不足を初めとする更年期障害の症状を抑えることができるのです。
50代とセサミン
何らかの不調を抱える人が増える50代
50代は、病院に通院する人や何らかの症状を訴える人が急増する年代です。
世帯あたりの所得額が最も多くなる代わりに、自身や配偶者の将来や健康が不安になってくるわけです。
「平成25年国民健康・栄養調査」によると、28.0%もの50代男性が、平日10時間以上「座ったり寝転がった」姿勢で過ごしていると回答しています。
座ったままで作業をし続けると、筋力低下やヘルニアだけでなく、Ⅱ型糖尿病やガン、心臓疾患の発症率も増加するとされています。
これには様々な理由がありますが、座り続けることで身体のカロリー消費量が極端に下がり、身体中にコレステロールや他の脂質が溜まっていくことが大きな要因であると考えられています。
また「平成25年国民健康・栄養調査」では、50代女性の21.9%が肥満となっています。
50代では男性のみならず女性も、肥満や高コレステロールといった健康リスクを抱えているわけですね。
健康リスクを減らすセサミン
40代の項目でも述べたように、セサミンには血液中に含まれるLDLコレステロールなどの脂質成分を減らす働きがあります。
そのため、肥満や高コレステロールを抑えて、50代が抱える健康リスクを減らしていくことができます。
しかし、セサミンはあくまで手助けをしてくれるだけですから、健康リスクの根本的な原因である運動不足や高脂質・高カロリーの食生活などは自分で対策しなければなりません。
60代以降とセサミン
60代で目立つ糖尿病
60代以降の健康状態は、これまでの生活習慣の集大成ともいうべきもので、不健康な食生活や喫煙などをしていた人はその影響が顕著に現れてきます。
50代までは死亡原因の上位に「自殺」がありましたが、60代や70代ではガン・心臓病・脳卒中が死亡原因の上位3位となっています。
自分自身だけでなく、両親や配偶者の健康にも悩みを抱えている人が多いことが、国民健康・栄養調査では明らかになっています。
「平成25年国民健康・栄養調査」によると、60代で糖尿病が強く疑われる割合は、男性で19.5%、女性では11.5%となっています。
これが70代になると男性で24.4%、女性で17.6%にまで上昇します。
糖尿病にはⅠ型とⅡ型がありますが、日本ではⅡ型が9割を占めています。
Ⅱ型糖尿病は、遺伝的な要因と生活習慣が合わさることで発症するものであり、肥満は主要因の一つであると考えられています。
糖尿病になると神経障害や網膜症などの合併症のリスクがある他、老化も進行しやすくなり、平均寿命も10年以上短くなってしまうことが判明していますので、豊かで健やかな老後を過ごすためにも、糖尿病は避けたいものですね。
糖尿病にも効果的なセサミン
何度も述べているように、セサミンにはLDLコレステロールを初めとする血中脂質の濃度を低下させる働きがあります。
そのため、糖尿病や動脈硬化症など多くの疾病の要因となる肥満を予防・改善することができます。
糖尿病そのものを予防・治癒するわけではありませんが、その要因である肥満を解消するだけでも、発症リスクを大きく減らすことができます。
セサミンで肝臓の機能を高めて健康を守る
また、老化と共に肝臓の代謝能力は落ちてしまい、肝臓内部に分解しきれなかった脂肪が溜まっていきます。
こうした、代謝能力が落ちて脂肪が溜まった状態が脂肪肝ですが、60代以上では40、50代で発症した脂肪肝のせいで食事の栄養を十分には吸収できなくなってしまっている場合もあります。
また、脂肪肝自体は病気ではないのですが、放置しておくと肝硬変や肝臓ガンの原因となります。
10代の項目でも触れたように、セサミンには肝臓の代謝機能を向上させる働きがあります。
そのため、低下した肝臓の働きを高めて、食事の栄養を身体にしっかりと摂り入れられるようにしてくれます。
また、脂質の代謝が高まることで、肝臓に溜まった脂肪も分解され、脂肪肝も改善します。
セサミンによって、肝臓を正常な状態にして食事の栄養をしっかりと吸収し、身体を少しづつ健康にしていくことができるのです。
これらの他にも、シミ・しわ・たるみといった肌の老化や白髪・脱毛・薄毛といった髪のトラブルなど目に見える老化も、セサミンは防いでくれます。
いつまでも若々しさを保ちたいという方にはぴったりの栄養素なのですね。
結局セサミンが一番必要な年代は?
10代から60代以上まで幅広い年代にわたって見てきましたが、果たして一番セサミンが必要な年代はどの年代なのでしょうか?
10代、20代のころに比べると40、50代以降でセサミンが果たす役割が大きいことは確かです。
若い頃に生活習慣が乱れていても、その影響はすぐに現れるものではありません。
それと同じで、若い人にはセサミンが必要だと思うほどの健康問題があまりないのです。
そのため、セサミンは中年期以降のための栄養素という見方もあるかもしれません。
しかし、セサミンを若い時から摂り続けるのは決して無駄なことではなく、むしろ何か健康問題が起こってからセサミンを始めるよりもずっと、身体のためには良いことです。
各年代を順に見ていくと分かるように、健康問題が顕著に現れてくるのは50代以降ですが、その大きな要因である肥満やメタボリックシンドローム、運動不足、タバコ、ストレスなどは、それ以前の年代でも私たちに深く関わっているものです。
50代以降に健康問題で悩みたくなければ、若い頃から生活習慣に注意する必要があります。
多くの年代の健康問題に深く関わっているのがLDLコレステロールなどの脂質や肥満です。
上でも何度も出てきましたが、セサミンは血液中のLDLコレステロールや他の脂質を減らすことによって、肥満やメタボリックシンドローム、アテローム性動脈硬化症などを予防・改善してくれますから、食生活や生活習慣を改善していく中で摂る栄養素にはぴったりです。
また、タバコやストレス、飲酒が原因で発生した活性酸素も除去してくれるので、活性酸素が引き起こす症状や老化現象をある程度抑えてもくれます。
結論を言うと、セサミンの効果がはっきりと出てきやすいのは中年期以降ですが、セサミンによる健康的な身体づくりには早いうちから取り組んでおいた方が良いということです。
セサミンは全年齢層が摂るべき栄養素というわけですね。
まとめ
ゴマの栄養素セサミンには数多くの効能があり、どの年代の人にとっても大きなメリットがあります。
セサミンの効能を、各年代が抱える健康問題と関連してみると以下のようになります。
- 10代・・・肝機能の向上で、食事の栄養を十分に摂れるようになる
- 20代・・・アルコールの分解を早めることで、悪酔い・二日酔いを防ぐ、また抗酸化作用により脂肪肝も防ぐ
- 30代・・・ストレスや喫煙で発生した活性酸素による健康被害を抑える
- 40代・・・肥満やメタボリックシンドローム、アテローム性動脈硬化症を予防・改善する他、更年期障害を改善する
- 50代・・・肥満や高コレステロールを改善する
- 60代・・・糖尿病の原因となる肥満を予防・改善し、抗酸化作用で肌や髪の老化を抑える。
肝機能を向上させるので食事の栄養をしっかりと摂れるようになる
このように、セサミンの効能が健康に大きく関わってくるのは中年期以降です。
しかし、中年期以降の健康問題全般に大きく関わっている高コレステロールや肥満といった問題には若い時から対処する必要があります。
その意味ではセサミンは、全年齢層が摂るべき栄養素であると言えます。