セサミンの効果と下痢の関係
ゴマの栄養素セサミンは、肝臓の活動を活発にしたり、肥満やうつ病を予防することで知られています。
いまやセサミンは、サプリメントの中でも最も人気がある栄養素の一つとなりましたが、ネット上には「セサミンのサプリメントでお腹が緩くなった」という口コミもあります。
セサミンを摂ると下痢になるのでしょうか?セサミンと下痢の関係について詳しく見てみましょう。
セサミンには下痢の副作用がある?
結論から言うと、セサミンには下痢の副作用はありません。
2018年現在、セサミンの過剰摂取による副作用の報告はありませんし、医薬品との併用による副作用の報告もありません。
つまり、セサミンは極めて安全性の高い栄養素ということになります。
サプリメントとして身近な栄養素の中にも、摂取過剰や医薬品との併用によって副作用を起こすものが少なくない中、セサミンは安心して摂ることができる栄養素なのです。
何が下痢を起こさせたのか
セサミンに下痢の副作用は無いわけですが、では何が下痢の原因となったのでしょうか?下痢の原因がセサミンでないとすると、サプリメントに含まれているセサミン以外の成分に原因があると考えられます。
サプリメントに配合されているセサミン以外の栄養素
セサミンのサプリメントに配合されることが多い栄養素のうち、下痢の原因となりうるものとして、次の栄養素が考えられます。
・乳糖(ラクトース)・・・乳糖不耐症で、乳糖を分解する酵素が少ない人は、牛乳やサプリメントの乳糖で下痢を起こします
・ニンニク・・・摂取することにより下痢の他、口や胃腸の炎症や吐き気が生じる可能性があります
・黒酢・・・酢は胃酸の分泌を促し、消化活動を活発にする一方、摂り過ぎると下痢の原因となります
・マグネシウム・・・大腸検査の際の下剤(クエン酸マグネシウム)や便秘緩和のための下剤(酸化マグネシウム)にも含まれるなど、強力な緩下作用を持っています
・亜鉛・・・過剰に摂取した場合、下痢の他、吐き気や嘔吐、腹痛を生じる可能性があります
・DHA/EPA・・・下痢ではありませんが、DHA/EPAといったセサミンと一緒になることが多い魚油は軟便を起こすことがあります
・コラーゲン・・・コラーゲンは分子が大きいため、消化に時間や負担がかかり、お腹が弱い人の場合は下痢を起こしてしまうことがあります
サプリメントに含まれている添加物
市販のサプリメントに含まれているセサミンの含有量は、約10mgと非常に微量です。
これだけ微量の栄養素となると、そのまま摂るのは難しいため、添加物を加えて錠剤化し、飲みやすい大きさとします。
この添加物が下痢の原因となる場合もあります。
錠剤を固めるのには、還元麦芽糖などと共に、先ほど紹介した乳糖が使われることが多いですし、増量剤として用いられるソルビトールは、便秘改善のための医薬品下剤でもあります。
また、増量剤の他に結着材として使用される難消化性デキストリンには食物繊維が豊富に含まれているため、大量に摂取すると下痢を起こす危険性があります。
サプリメントのパッケージには「規定量以上を摂取した場合、お腹が緩くなることがあります」と表示されている製品がほとんどですが、その理由はサプリメントの大部分を占める添加物にあったのです。
下痢にならずにセサミンを摂るには
これまで見てきたように、セサミンのサプリメントを飲んで下痢になる場合、セサミンと共に配合されている栄養素が原因の場合と、サプリメントの大部分を占める添加物が原因の場合の2パターンがあるのでした。
では、下痢にならずにセサミンを摂るにはどうすればよいのでしょうか?
ミックスされている栄養素をチェックする
セサミンのサプリメントを購入する際には、上で紹介したような「下痢を起こす栄養素」が含まれていないかを確認するようにしましょう。
また、下痢に効果のある栄養素が配合されたセサミンサプリメントを選ぶという手もあります。
下痢に効果がある栄養素としては次のようなものが挙げられます。
・善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)・・腸内環境を整え、下痢になりにくくします
・梅肉エキス・・・整腸作用・殺菌効果に秀でており、悪玉菌を殺して善玉菌を増やす働きがあります
・ミドリムシ・・・豊富な栄養価で腸内を善玉菌優位にします
・オリゴ糖・・・善玉菌を増やしてくれます
セサミンのサプリメントは非常に種類が多いため、きっと自分の体質に合ったサプリメントが見つかるはずです。
サプリメントの添加物をチェックする
セサミンのサプリメントの成分表示には添加物についても記載されています。
牛乳を飲むと必ずお腹を下すような乳糖不耐症の人は、乳糖が含まれているサプリメントは避けるようにしましょう。
ソルビトールや難消化性デキストリンなども避けるのが無難です。
規定量をしっかり守る
サプリメントを規定量以上摂った場合、大量の添加物で消化不良を起こしてしまい、下痢で苦しむばかりでなく、せっかく摂ったセサミンも満足に吸収できなくなります。
メーカーが定めた規定量をしっかり守って飲むようにしましょう。
もし、メーカーの規定量以上にセサミンを摂りたいというのであれば、よりセサミンが多く含まれるサプリメントを選ぶようにしましょう。
市販のサプリメントのセサミン含有量は1日分の規定量に10mgというのが一般的ですが、製品によっては1日分の規定量に20mg以上ものセサミンを含んでいるものもあります。
どうしても下痢になる場合は、ゴマやゴマ油から摂る
これまで挙げたような対策をしてみても、どうしてもサプリメントを飲むと下痢を起こしてしまうという人もいるかもしれません。
それは体質の問題ですからサプリメントで摂るのは諦めて、ゴマやゴマ油からセサミンを摂ってみるのはどうでしょうか?
実は、セサミンのサプリメントに含まれる1日あたり10mgという数字は、別にサプリメントでなくとも日々の料理にゴマやゴマ油を使うことを心がけていれば満たせるものなのです。
ゴマは品種にもよりますが、1gあたり0.67~6.35 mgのセサミンを含んでいますし、ゴマ油のセサミン含有率は1%程度です。
なので、ゴマならば10g(小さじ4杯)、ゴマ油ならば1g程度でセサミン10mgを摂ることができます。
料理が苦手でない方はこのようにして、ゴマやゴマ油からセサミンを摂ってみてください。
また、料理が苦手な方でもゴマドレッシングやゴマを原料にしたお菓子から摂ることができます。
まとめ
ゴマの栄養素セサミンのサプリメントを飲んで、下痢を起こしたという口コミをネットで目にすることがありますが、セサミン自体には下痢を起こすような副作用はありません。
下痢の原因としては、サプリメントに配合されている他の栄養素(ニンニク、黒酢、コラーゲンなど)、あるいはサプリメントの添加物(乳糖やソルビトール、難消化性デキストリンなど)が考えられます。
また、サプリメントの規定量を守らないで大量に飲んだ場合も、添加物によって消化不良を起こし、下痢になってしまうことがあります。
下痢に悩まずセサミンを摂るためには、
- ・下痢の原因となる栄養素が配合されていないか確認する
- ・下痢の原因となる添加物が含まれていないか確認する
- ・規定量をしっかり守る
といった対策を取るようにしましょう。
それでもどうしてもサプリメントを飲むとお腹を下してしまうという人は、ゴマやゴマ油を毎日の料理に使って、食事からセサミンを摂るという手もあります。