ごま油に含まれるセサミン

ごまの栄養素セサミンは、肝臓の代謝機能の向上や生活習慣病予防などで人気がある栄養素です。
このセサミンは、ごまだけでなくごまを加工して作られるごま油にも含まれていることをご存知でしたか?今回はごま油に含まれるセサミンについてご紹介します。

ごま油とは

ごま油は、ごまを圧搾することで採れる植物油で、原料となるごまの種子をどれぐらい焙煎するかによって、色や香味が異なる様々な種類があります。

私たちにとってもっともなじみ深い、茶褐色のごま油は、焙煎した白ごまを原料に作られるものです。
焙煎の過程で、ごま油特有の強い風味がつきます。

また、スーパーなどに時々置いてある透明で、香りが弱いごま油(太白油・生搾りごま油)は、ほとんど焙煎をしていないごまを原料としています。

ごま油に含まれているセサミンの量は?

市販のごま油1gにつき約5mgのセサミンが含まれています。
セサミンは五大栄養素(人体に必須の5種類の栄養素;タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)ではないため、厚生労働省やWHOといった公的な機関によって摂取目安量が定められてはいません。
ですが、サプリメーカー各社が独自に定めているセサミンの摂取目安量は、1日当たり約10mgとなっていることがほとんどです。
つまり、ごま油2gで、サプリメーカーが推奨する分量のセサミンを摂取することができるというわけです。

また、あまり焙煎されていない透明なごま油の場合でも、含まれているセサミンの量はほとんど変わりません。

ごま油の種類によってセサミンの量に違いはあるのか

ゴマにはセサミン以外にも、セサミノール、セサモリンといったセサミンと似た構造の栄養素が含まれており、これらをまとめてゴマリグナン類といいます。
ゴマリグナンのうち、セサミンやセサミノールの含有量は、原料のごまを焙煎したかどうかに関わらず、ほとんど同じです。
しかし、セサモリンだけは、焙煎の過程でセサモールという物質に変化するため、茶褐色のごま油ではややセサモリンの量が減り、セサモールが増えています。
とは言っても、セサモールもゴマリグナンの一種であり、ゴマリグナン類はみなセサミンと同じ抗酸化作用(人体に有害な活性酸素を除去する働き)を持っているため、茶褐色のごま油と透明のごま油で、健康への効果が異なるということはありません。

ごま油特有の風味を料理に活かしたい方は、茶褐色のごま油を、反対に風味が苦手な方は、透明のごま油を、というように好みに応じて選んでみてください。

ごま油でセサミンを摂る際の注意点

ごま油でセサミンを摂る際に注意すべきことはあるのでしょうか?
市販のごま油には、1gあたり約5mgのセサミンが含まれているため、市販のサプリメント1日分のセサミン(10mg)が、たった2gのごま油に含まれているということになります。
総務省の家計調査を元に算出した、1日当たりの食用油の使用量は約24gですから、このうちの2gをごま油にするのはそう難しくはありません。
カロリーもごま油2g程度では、18kcalですからそれほど高いわけではありません。

セサミンをごま油で摂るというのは、必要となるごま油の量やカロリーの点でも全く問題ありませんが、食生活全体の脂質やカロリーのバランスには気をつける必要があります。
セサミンには血液中の中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、肥満や動脈硬化を抑える働きがありますが、食生活自体が高脂質・高カロリーでは、セサミンの効果が薄れてしまうからです。
ごま油でセサミンを摂っているからといって、油をふんだんに使用しないようにしましょう。

まとめ

ごまの栄養素セサミンは、ごま油にも含まれています。
ごま油には、焙煎したごまを原料とした茶褐色のものと、ほとんど焙煎していないゴマを原料とした透明のものがありますが、セサミンの含有量に違いはありません。
市販のごま油には、1gあたり約5mgのセサミンが含まれているため、ごま油2gで、セサミンの1日当たりの摂取目安量である10mgを摂ることができます。
ごま油2gのカロリーは約18kcalですから、それほど高いわけでもありません。
しかし、ごま油でセサミンを摂る分、他の油の使用量を減らすなどして、食生活全体の脂質・カロリーのバランスが偏らないようにしましょう。

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