便秘対策にセサミン
肝臓機能の向上やガン予防など様々な効能で知られているセサミンですが、実は便秘にも効果があるのです。セサミンの便秘への効果を詳しく見ていきましょう。
便秘はなぜ起こるの?
セサミンの便秘に対する効果を見る前に、まずはなぜ便秘が起こるのかを見てみましょう。
まず、便秘には理由がはっきりしているものとそうでないものがあります。理由がはっきりしているものは器質性便秘、症候性便秘、薬剤性便秘の3種類に分類されます。
器質性便秘は、大腸ガンやクローン病といった消化器系の病気によって、腸の構造が変わってしまい、便が通りにくくなったものです。悪化すると腸閉塞となるので早めに受診する必要があります。
症候性便秘は、パーキンソン病や糖尿病といった内科的な病気の影響による便秘です。
薬剤性便秘は、抗うつ薬や抗コリン薬といった薬品を服用することによる便秘です。
一方、理由が複数ありはっきりしていない便秘は機能性便秘と便秘型IBSの2種類があります。
機能性便秘は食生活の乱れや運動不足、ストレスなどが原因で腸の働きが低下した結果、便秘となるものです。一般的に「便秘」と呼ばれるものはこの機能性便秘です。
便秘型IBSは便秘や腹痛、腹部の不快感が繰り返し出てくるものです。
以上が便秘の種類とその原因です。聞きなれない単語が並びましたが、私たちが普段悩んでいる便秘は「機能性便秘」ですので、ここからは機能性便秘を中心に話を進めていきます。
セサミンが便秘に効くしくみ
(1) 「セサミンの便秘解消効果=食物繊維」は間違い
セサミンの便秘に対する効果ですが、ネットなどで誤解されているものとして「セサミンには食物繊維が豊富に含まれているから便秘に効果がある」というものがあります。食物繊維が腸内で広がることによってかさを増やし、腸の蠕動運動(内容物を腸内で移動させたり、肛門へと押し出したりする働き)を活発にさせ、便秘を解消するのは事実です。しかし、セサミンは食物繊維よりも小さな栄養素であり、セサミンに食物繊維が含まれていることなどありえないのです。セサミンではなく、ゴマに食物繊維が多く含まれているのがいつしか誤解されて、「セサミンの便秘解消効果=食物繊維」となってしまったのでしょう。
では、セサミンには便秘解消の効果がないのかというとそうではありません。セサミンにも独自の便秘解消効果があるのです。
一般的な便秘(機能性便秘)の主な原因の中には、腸の血行が悪いために腸の運動性が落ちてしまうパターンや、ストレスによって自律神経の調子が悪くなり、便秘を起こすパターンなどがあります。セサミンには全身の血行を改善する効果や精神を落ち着かせる働きがありますので、これらによって便秘を解消することが出来ます。
(2)腸の血行を促進して、働きを活発にする
腸の血行が悪いパターンでは、セサミンが全身の血行を良くすることによって、腸にも十分な量の血液が行き渡り、腸の運動性が復活します。その結果、蠕動運動が正常に行われるようになり、便秘が解消するのです。
(3)自律神経を整えて、正常な働きを維持する
また、ストレスによる便秘のパターンは、腸の働きをコントロールしている自律神経が、ストレスを感じた際に発生する活性酸素によってダメージを受けてしまい、適切な信号が届かなくなるせいで起こるものです。セサミンには自律神経の安定を司るホルモン・エストロゲンと同じように、精神を安定させ、ストレスを緩和する働きがあります。この働きにより、ストレスによる自律神経のダメージが減っていきます。この時、同時にセサミンの抗酸化作用によって活性酸素も除去されますので、二重に自律神経の回復をサポートしていることになります。自律神経のダメージが減り、脳からの信号が腸まで正常に伝わるようになり、便秘は解消されます。
セサミンの便秘への効果を高めるには
便秘対策としてセサミンを摂る際には次の点がポイントです。
(1)自分の便秘の状態を把握する
腸の血行不全やストレスを原因とした、一般的な便秘に対してセサミンは効果を発揮しますが、始めにご紹介したような器質性便秘、症候性便秘、薬剤性便秘といったものは原因が全く異なるため効果が期待出来ません。まずは、自分に思い当たる疾病や服用薬が無いかを考えてみて、それでも不安ならば医療機関を受診するようにしてください。レントゲンを撮ることで便秘の種類が分かります。
(2)ゴマからセサミンを摂る
セサミンはゴマの重量比1%程度しか含まれていない貴重な栄養素なので、肝機能の向上やうつ病改善などといった目的で、セサミンを摂取しようとするならば、サプリメントが手軽でかつ効率も良い方法です。しかし、便秘対策でセサミンを摂ろうというのであれば、ゴマから摂るのが断然おすすめです。
上で述べているように、ゴマは食物繊維が豊富で、腸の蠕動運動を助けることによって便秘を解消してくれます。そしてまた、ゴマの脂質であるオレイン酸は、小腸で吸収されにくいため、その次の大腸では便と腸の壁の間で潤滑油の働きをして、便が通過しやすくなります。このように、セサミンの持つ効果以外にも便秘解消に期待できる効果がゴマにはありますので、ぜひ便秘対策としてゴマを食べてみてください。固い殻があると、セサミンや食物繊維、オレイン酸などの吸収率が下がってしまうのですりゴマや練りゴマの状態で食べるのがおすすめです。
(3)セサミン・ゴマを毎日欠かさずに摂るようにする
セサミンやゴマが便秘に効くといっても、数日飲んだだけで「便秘にならない体質」になれるわけではありません。ストレスが原因で荒れた自律神経を修復したり、腸の血行不全を直したりするのには時間がかかります。セサミンの摂取を、毎日継続することが重要なのです。
(4)サプリメントを飲む際は、便秘に効果のある栄養素との組み合わせを選ぶ
ゴマアレルギーの人や料理が苦手な人はサプリメントでセサミンを摂りたいことでしょう。市販のサプリメントの大半はセサミン単体ではなく、他の栄養素とのミックスとなっています。セサミンと一緒に配合されることが多い栄養素の中で、便秘対策に効果があるものは次のようなものです。
・ 乳酸菌・・・腸の働きを活発にします
・ オリゴ糖・・・腸内環境を整えます
セサミンとこれらの栄養素を共に摂取することによって相乗効果が期待できますので、ぜひサプリメント選びの参考にしてみてください。
まとめ
数多くの効能で知られるゴマの栄養素・セサミンには、便秘を解消する効果もあります。便秘には様々な原因がありますが、私たちが一般的に「便秘」と呼んでいる症状の原因は、腸の血行不全や、ストレスによる自律神経の不調です。セサミンには全身の血行を改善する効果や、精神を安定させる効果があるため、便秘を解消することが出来ます。なお、セサミンと食物繊維はゴマに含まれる別々の物質ですので「セサミンの食物繊維が便秘を改善する」というのは誤解です。
便秘対策としてセサミンを摂取する場合には、「自分の便秘の状態を把握する」「ゴマからセサミンを摂る」「セサミン・ゴマを毎日欠かさずに摂るようにする」「サプリメントを飲む際は、便秘に効果のある栄養素との組み合わせを選ぶ」といった点がポイントです。セサミンと一緒にサプリメントに配合されることの多い栄養素としては、乳酸菌やオリゴ糖が挙げられます。