ゴマの主な栄養成分は?
セサミンを含む食材としてまず挙げられるのが「ゴマ」ですが、ゴマにはセサミン以外にどのような栄養成分があるのでしょうか?ゴマの栄養成分について詳しく見ていきましょう。
ゴマの油脂成分
ゴマは重さの約半分を油脂(脂質)が占めています。
そのため、実はゴマは同じ重さの肉や魚よりも高脂質・高カロリーなのです。
ゴマの油脂の約8割はオレイン酸とリノール酸が占めております。
オレイン酸
ゴマの油脂の約39.8%を占めています。
人体にも多く存在しており、細胞の膜などが適度な流動性を持つために必要不可欠な脂質です。
また、母乳に含まれる脂質の1/3はこのオレイン酸です。
リノール酸
ゴマの油脂の46.8%を占めています。
リノール酸は必須脂肪酸(人体に必須であるにもかかわらず体内で作り出せない脂質)です。
リノール酸が不足すると、髪の毛のパサつきや脱毛、傷の回復が遅くなるといった症状が現れます。
また、リノール酸には血液中の脂質(LDL-コレステロール・中性脂肪)濃度を一時的に低下させる働きもあります。
ただし、過剰摂取した場合、大腸がんやアレルギーのリスクが高まりますので気をつけるようにしましょう。
1日あたりの推奨摂取量は4~5gです。
リノレン酸
ゴマの油脂の中では1.2%程度しか含まれておりませんが、リノール酸と同じ必須脂肪酸です。
リノレン酸から、脳細胞の材料であるDHA(ドコサヘキサエン酸)や血液を固まりにくくするEPA(エイコサペンタエン酸)が作られます。
他にも、リノレン酸にはうつ病や心血管疾患のリスクを低下させる働きがありますので、ぜひとも摂りたい栄養素ですね。
1日あたり約2gの摂取が推奨されています。
ゴマリグナン
ゴマに含まれる固有のポリフェノール類(正確にはイネなどにも微量ながら含まれていますがまとまった量はゴマにしか存在しません)のことを総称して、ゴマリグナン類と言います。
ゴマリグナンには次のようなものがあり、どれもみな抗酸化作用(ガンや老化の原因となる活性酸素を除去する働き)を持っています。
セサミン
代表的なゴマリグナンであり、かつサプリメントとして製品化されている唯一のゴマリグナンです(2018年現在)。
抗酸化作用だけでなく血中脂質濃度の低下や血圧降下、肝機能の向上、女性ホルモン・エストロゲンの働きのサポートなど数多くの働きを持っています。
また、ビタミンEを体内で長持ちさせたり、ビタミンCの合成を促すなど他の栄養素を補助する働きもあるため、複数の栄養素を摂る際には必ずセレクトしたい栄養素です。
セサモリン
セサモリンはゴマの段階では多く含まれているのですが、ゴマ油を精製する過程で後述するセサミノールやセサモールに変化します。
そのため、ゴマ油にはセサモリンは含まれておりません。
セサモリンは体内への吸収率や貯蔵量、肝臓の脂質代謝を活発にする働き、ビタミンEを長持ちさせる働きなどにおいてセサミンよりも優れていることが判明しています。
セサミノール
無色あるいは白色透明のゴマ油(ゴマサラダ油)を精製する際にセサモリンが変化してできる栄養素ですが、ゴマにもわずかながら含まれています。
抗酸化作用を持ち、動脈硬化の予防効果があります。
セサモール
茶褐色のゴマ油を精製する際に、セサモリンが変化してできる栄養素ですが、ゴマの段階でもわずかに含まれています。
セサモールも抗酸化作用を持っています。
ゴマに含まれるその他の栄養素
ゴマには人間が生きる上で必要不可欠なビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。
ビタミン
- チアミン(ビタミンB1)・・・アミノ酸や糖、脂質の代謝をする際に必要となり、不足すると脚気や神経炎、心不全などが起こります
- ナイアシン(B3)・・・不足すると胃腸障害、皮膚炎などが現れます
- ビタミンB6・・・不足すると貧血やてんかん発作、痙攣などを生じます
- 葉酸・・・不足すると貧血や免疫力低下、消化管機能の異常などが起こります
ミネラル
- カルシウム・・・低カルシウム血症や骨軟化症を予防・改善します
- マグネシウム・・・不足すると虚血性心疾患や糖尿病、骨粗しょう症などが生じます
- リン・・・細胞膜やDNAの材料として欠かせない物質です
- 鉄分・・・不足すると貧血になりやすくなるだけでなく、様々な疾病のリスクも上昇します
- 亜鉛・・・不足すると免疫力の低下や味覚障害となります
- 銅・・・不足すると貧血や成長障害などを引き起こします