セサミンとは?
セサミンという栄養素をご存知でしょうか?セサミンは、ゴマに含まれており、肝臓の代謝機能を活発にする働きや、ガンを予防する働き、高血圧を予防する働きなど多くの効能を持っています。セサミンとはどのような栄養素なのかを見ていきましょう。
セサミンはポリフェノールの一種
セサミンはゴマや銀杏に含まれる栄養素で、ポリフェノールの中のゴマリグナン類に分類されています。ポリフェノールとは、フェノール基という構造を多数持つ、植物由来の栄養素の総称で、お茶に含まれるカテキンやブルーベリーのアントシアニン、大豆のイソフラボンなどもポリフェノールに属しています。ポリフェノールの中でも、ゴマに含まれるものをゴマリグナン類といい、セサミンの他に、セサミノールやセサモリン、セサモールなどがあります。
セサミンの効能
セサミンは栄養素の中でもとりわけ多くの効能を持つ存在で、その効能は主に、「抗酸化作用による効能」「肝臓に関する効能」「女性ホルモンを助ける効能」「脂質に関する効能」の4種類に大別することが出来ます。
抗酸化作用による効能
人体に必要不可欠な酸素は、時折変化して、人体に有害な活性酸素となってしまいます。この活性酸素は周囲の細胞や組織を傷つけ、機能を喪失させたり、ガン細胞化させたりします。ガンや老化現象(しみ、しわ、たるみ)、白髪・脱毛などの髪のトラブル、うつ病や自律神経のトラブル、これらはみな活性酸素が大きな原因であると考えられているのです。
栄養素の中には、活性酸素と反応してこれを取り除くものがあり、これを抗酸化作用といいます。ビタミンCやビタミンEそして、アントシアニンやカテキンなどの各種ポリフェノールは、この抗酸化作用を持っており、セサミンも同様に持っています。
セサミンの抗酸化作用による効能には次のようなものがあります。
・ガン予防(特に肝臓ガン)
・しみ、しわ、たるみの改善
・白髪や脱毛の予防
・うつ病や自律神経の乱れによる症状(消化異常、冷え性、のぼせ、精神不安定など)の予防・改善
・脂肪肝の予防・改善
活性酸素は、肝臓が食物を分解・再合成する代謝活動で最も発生し、その量は人体で発生する活性酸素の約8割に上るとも言われています。セサミンは他の抗酸化作用を持つ栄養素(抗酸化物質)と違い、胃腸ではなく肝臓の門脈で吸収されます。そのため、他の栄養素よりも有効に、肝臓で発生した活性酸素を除去できるのです。
肝臓に関する効能
セサミンは、肝臓がタンパク質や炭水化物、脂質を代謝するのを助ける働きがあります。これによって身体が食事の栄養をしっかりと摂れるようになるため、滋養強壮に効果があります。
また、肝臓は食事以外にもアルコールなどの毒物を分解します。セサミンは肝臓のアルコールなどを解毒する働きも高めてくれるので、悪酔いや二日酔いを予防したり、改善したりしてくれます。
先程、抗酸化作用に関する効能でもご紹介したように、セサミンには肝臓ガンの予防や脂肪肝を予防・改善する効能もあります。セサミンは、肝臓を全面的にサポートしてくれる栄養素というわけですね。
女性ホルモンを助ける効能
女性ホルモンであるエストロゲンは、女性の生殖機能以外にも、自律神経の調節という形で女性の身体に深く関わっています。エストロゲンの分泌が、40代半ば以降に激減することで起きる身体の不調を総称して、更年期障害と呼びます。
セサミンを始めとするポリフェノール類の構造は、このエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと同じような働きをします(このような物質を植物エストロゲンと言います)。そのため、セサミンを摂ることで、エストロゲンの働きを補う事が出来ます。不足したエストロゲンの働きを補うことで、更年期障害を予防・改善することが出来るほか、月経前症候群や自律神経の乱れも軽減させることが出来ます。
脂質に関する効能
肝臓で分解された脂質は、LDLコレステロールという形で全身に運ばれていきます。セサミンには、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールを減らす働きがあるため、これらが原因で起きる肥満や動脈硬化を予防します。また、肥満や動脈硬化を予防することで、高血圧やメタボリックシンドローム、脳梗塞や心筋梗塞などを予防することにもつながります。
セサミンの摂り方
セサミンの摂り方としては、ゴマそのものを食べる、ゴマ油などのゴマ加工品を食べる、サプリメントを飲む、などの方法があります。セサミンは五大栄養素(人体に必須の栄養素;タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)ではないので、厚生労働省やWHOによって公式に摂取目安量が定められているわけではありません。その代わりに、大手サプリメーカー各社が設けている、摂取目安量は1日あたり10mg以上となっています。
ゴマの品種にもよりますが、セサミンはゴマに0.5~0.7%程度しか含まれていないため、ゴマそのものでセサミン10mgを摂るには、約2gのゴマを食べる必要があります。この時、炒りゴマのままではなく、擦りゴマや練りゴマに加工した方が、硬い殻が破れて、消化の効率が良くなります。
ゴマ油では、ゴマの成分が抽出されているため、セサミンが豊富に含まれています。ゴマ油の場合も、2g程度の量でセサミン10mgを摂ることが出来ます。
サプリメントは、メーカーによってセサミンの配合量が異なります。市販のセサミンサプリメントの大半は、1日あたり10mg以上のセサミンを含んでおり、中には40mgものセサミンを含む製品もあります。気軽に効率良くセサミンを摂ることができるという点では、サプリメントが一番適していると言えるでしょう。
セサミンを摂る時の注意点
セサミンを摂る時には、次のような点に注意してください。
・活性酸素を増やすもの・習慣を避ける
・ゴマやゴマ加工品でセサミンを摂る場合にはカロリー・脂質に注意
活性酸素を増やすもの・習慣を避ける
セサミンは抗酸化作用によって、活性酸素を除去してくれますが、この過程でセサミンはどんどん消費されていきます。そのため、体内の活性酸素の量が多すぎると、セサミンの量が足りず、その働きは相対的に減ってしまうことになります。それを防ぐためにも、活性酸素を増やすもの・習慣を避ける必要があるのです。
活性酸素を増やすもの・習慣には次のようなものがあります。
・ 紫外線
・ 喫煙
・ 過度の飲酒
・ 化学薬品
・ 多量の添加物
・ 強いストレス
・ 激しい運動
これらを避けることで、活性酸素自体を少なくして、セサミンが効率良く効果を発揮できるようにしましょう。
ゴマやゴマ加工品でセサミンを摂る場合にはカロリー・脂質に注意
実はゴマは、脂質を多く含んでおり、同重量の肉や魚以上の高カロリー・高脂質の食品です。そのため、ゴマでセサミンを摂ろうとする場合、カロリーや脂質を摂り過ぎることになりかねません。また、ゴマ油も油ですから、摂り過ぎは身体に良くありません。このように、ゴマやゴマ油でセサミンを摂る場合には、食事全体でカロリーや脂質のバランスが崩れていないかを考慮する必要があるのです。
まとめ
ゴマの栄養素セサミンは、ポリフェノールの一種に分類され、抗酸化作用を始めとする多くの効能を持っています。
抗酸化作用による効能
・ガン予防(特に肝臓ガン)
・しみ、しわ、たるみの改善
・白髪や脱毛の予防
・うつ病や自律神経の乱れによる症状(消化異常、冷え性、のぼせ、精神不安定など)の予防・改善
・脂肪肝の予防・改善
肝臓に関する効能
・代謝を促進させる
・アルコールの分解を促進する
女性ホルモンを助ける効能
・更年期障害の予防・改善
・月経前症候群の軽減
・自律神経の乱れの軽減
脂質に関する効能
・血中のLDLコレステロール値・中性脂肪値を下げる
・肥満の予防・改善
・動脈硬化の予防
セサミンは、ゴマやゴマ油などのゴマ加工品、サプリメントから摂ることが出来ます。セサミンを取る際には、「活性酸素を増やすもの・習慣を避ける」「ゴマやゴマ加工品でセサミンを摂る場合にはカロリー・脂質に注意する」といった点に注意するようにしましょう。